二〇〇三年に食肉処理された三五〇〇万頭の牛のうち、農務省庁狂牛病の検査を行ったのはわずか二万頭(日本は食肉牛を一頭残らず検査しているっていうのに)。もちろん、牧場経営者にとっては、ぜんぶの牛を検査されると都合が悪いわけよ。もし自分のところの牛が狂牛病にかかっていたら、牛肉は売れなくなり、収入は大幅ダウン。農務省小牧場経営者の利益を危険にさらすなんて、あってはならないってわけ。たしかに牧場経営者が、死んだ牛の肉をひき肉にしてほかの牛に与えるのは現在では禁止されているわ。でも、その牛の血液を飼料の一部として子牛に与えることはOKなのよ。こんなバカらしいことってある?それから、全米家畜識別システム(NA-S)って呼ばれる、もう一つの「安全」対策。これは、家畜の産地を明らかにして、その肉が汚染されていることがわかったら、その牛が飼育されていた農場を突きとめることができるっていうシステムなの(これって予防策としての意味はないわよね。だれかが汚染された肉を食べて、肉を回収しなくちゃならなくなったときのためのシステムだわ)。しかも、このシステムは自主参加制。強制とか義務じゃないのよ。役所って、食肉の安全性について、ほんとうに厳しい規制を設けてくれているわよね。感心しちゃうわ。おまけに、農務省のホームページを見ると、このシステムでは「機密性」が守られているんだって。これっていったい、どういう冗談?汚染された肉を売る経営者の情報は機密として保護されるってこと?経営者たちへのごますりもいいところだわ。もちろん、消費者たちもバカじゃない。農務省は信用できないってわかってきたの。オーガニック製品消費者協会によると、「元農務省付獣医、レスター・フライドランダーは、検査で狂牛病の証拠が検出された場合は、極秘にするように農務言局官に告げられたことを明らかにしている」んだって。そう、だれも信用しちゃダメなのよ!それから、違法なホルモン剤が子牛に定期的に与えられているのは知っている?それが人間のがん細胞の成長を促進しているっていう疑いがあるのにね。農務省はこういう行為を見逃しているだけでなく、研究結果をごまかし、記録を改ざんし、ウソをつくようスタッフに圧力をかけたわ。たしかに、かわいい子牛を食べるなんて自分勝手な行為だわ。だからって、肉を食べる人がそんなひどい扱いを受けていいはずがない、そうよね?それ、ほんとうにあなたの食べている「オーガニック」製品、ほんとうに「オーガニック」なのかしら。というのは、二〇〇四年四月に、農務省は全米オーガニックプログラム(NOP)の基準を大幅に変更したの。オーガニック食品を生産する農業経営者やそれを買う消費者たちはこの新法規に怒りまくったわ。だって、新法規では家畜にオーガニックではない魚粉を食べさせることが認められていて、たとえ魚粉に毒素や合成保存料が含まれていたり、牛や子牛が成長ホルモンや抗生物質その他の薬物を投与されていたりしても、薬物が投与されてから一年たってさえいれば、そういう牛たちも「オーガニック」牛乳を売ることができるからなの。だから非営利団体の食品安全センター(CFS)は、ニセの認証を出している可能性があると主張しているの。だってほんの短期間にものすごい数の「オーガニック認証」が出されたんだもの。みんな、デタラメだと思っているわ。農務省庁情報公開法に従わないで、公開を拒否したから。どうしてこういうことが許されるの?私たちが選んだ政治家たちは、現状を知らないの?なぜやめさせようとしないの?もちろん、そうしようとする人もいるのよ。でも、多くの政治家たちは、悪徳産業とつるんでいるの。マクドナルドだけで、二〇〇万ドル近くもの選挙献金を行っているし、全米畜産牛肉協会は約一五〇万ドル、全米レストラン協会は三一〇万ドル以上を献金している。バカみたいに何度も繰り返したくないけど、だれも信用しちゃダメなのよ。
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