女優の高橋恵子さんとお嬢さんが入ってきた。紺色のヨージヤマモト風のパンツスーツ姿。髪は束ねて、後ろで無造作に留めた形が服装に似合っている。すごく素敵、きれい。私の住んでいるところでもよくお見かけしていたが、女優さんっぽくない今日のスタイルがいい。美しい人がますます素敵になる。娘はキョンキョンに私は高橋さんの服装に、目からウロコの一日となった。目からウロコだったわ、と言いながらも、その教訓をどう活かしていいのかわからないことが多い。せっかくのいいお手本も忘れ去られていく。その素敵さを自分にあてはめるとしたら、どういうところを直して、どういう風に着こなせるのか分析してみなければいけない。そのうえで、やっぱり自分には無理という結果もあろうが、努力したことは前進だ。舞い上がった私はそこにあったギャルソンの新作という服を、娘もそれくらい着たほうがいいんじゃない?と言うし、鏡の前であててみた。どう?娘は悲しく首を振る。ダメ、ぜんぜん似合わない。でしょう?だから私は思いきった冒険ができないでいる。そういう手合いのものを着るには、ある種の気合いが必要なのだ。私はその「ある種」がまだよくわからないでいる。近くにはいるのだが、なかなか核心に触れられないでいる。