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「生・老・病・死」の哲学を身につけた医師

六十歳という年齢は昔から「古稀」という言葉で長寿を祝われた。平均寿命が男女共に80歳以上になった今日では「古稀」と長寿を結ぶのは現実ばなれしている。が、私が80年生きてきて、60歳はやはり人生の節目の1つに思える。戦後間もない昭和23年から今も電波関係の仕事をし続けている私が、活字にチャレンジしようと思い立つだのが60歳。65歳まで毎年1冊、70歳までの5年間は3冊の単行本を出そう。70歳を過ぎたら適当にと、無謀ともいえる計画をたてたのは、60歳という年齢のさせたこと。70代も半ばになると、友人、知人の逝去がふえ、自分がこの世から「さよなら」する時のことを意識させられた。両親共に心筋梗塞と脳内出血であっという間の死であった。さっぱりとしたこの世からの去り方は遺伝的体質として私に残されているだろうと思うと、身辺整理を急ぎたくなってきた。