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野菜教とさよならしましょう

有機栽培された無農薬野菜をたっぷり食べること、それは身体にやさしく、自然の摂理に合致していて、最高の健康を生みだすものです!戦後、猛スピードで西洋化された日本の食生活に対するアンチテーゼの意味もあり、近ごろでは「野菜ソムリエ」なる肩書きができるほど神聖化されているのが「野菜」です。世界中で健康意識が高まるなか、野菜を多く食べることは、大腸がんに代表される腸疾患のリスクを低下させると広く信じられています。実際、国立がんセンターの「がんを防ぐための12カ条」(1978年策定)にも、「食物繊維をたくさん食べよう」と記述されています。けれども、半ば常識化したこの理論−実は最先端の研究報告では、「すでに否定された理論と考える向きもある」ことをご存じでしょうか。そもそも「がんと栄養」をめぐる常識のひとつとして食物繊維信仰が定着したのは、1971年にイギリスの病理学者のバーキッド氏が、「食物繊維をたくさん食べているアフリカの民族には、大腸がんや大腸疾患が少ない」ことを報告したことにはじまります。以来、80年代まで、この考えを支持する多くの実験研究や疫学調査が報告されてきました。

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国立がんセンターの12力条もちょうどこの時期につくられています。2000年に入って行われたいくつかの大規模研究の結果は、「ふだん食物繊維を多く食べている人たちでも、大腸がんの発生率は低くない」というものです。また、乳がん、肺がんでも、野菜の摂取量ががんの発生率を低下させる因子とは認められないという結果です。つまり、現実はあまり野菜に肩入れして、野菜教に走りすぎるなということです。だからといって「健康のために食物繊維をたくさん食べるのは無駄」というわけでもありません。食物繊維の摂取量が多い人のほうが、心筋梗塞や糖尿病のリスクが低いことはわかっています。しかし、食物繊維の中で、冠動脈疾患のリスクをはっきり低下させるのは穀類と果物からの食物繊維で、野菜からの食物繊維については、はっきりしたリスクの低下を認められないという報告もあります。野菜は現代社会では不足しがちな大切な食べものではありますが、要はバランス&バラエティーを考えてくださいということ。野菜だけでなく、豆類、きのこ類、おそばやオートミールといった、食物繊維に富むいろいろな食品を適度に食べることが大事なのです。