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経営者と敵対するような労働組合は迷惑である

ほんとうは、その労働者が会社にとって不可欠の貴重な人材であれば、ストライキなどやらなくてもよい。一人で労務を提供しないというだけで、十分に会社に圧力をかけることができる。「辞めてやる」といえば、経営陣が蒼くなるような労働者であれば、労働組合を結成する必要はない。自力で良い労働条件を獲得できるであろう。しかし、多くの労働者は、会社に「辞めてやる」といえば、「はい、どうぞ」といわれてしまうのがオチである。

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一人ではどうしようもないのである。そういう場合には、束になってかかって「物量」作戦で行かざるをえない。一対一であれば、結局は、会社の言いなりになってしまい、自分たちの権利は守れない。だから、友を集めて団結して会社と戦うという戦術がとられなければならないのである。これが、労働者の論理だ。大勢で敵にかかって相手を攻めるというのは卑怯なことである。子どもの頃からこう教わってきた人は多いであろう。しかし、これが妥当しない局面がある。それが労使交渉である。ワンマン社長と専務の妻と社員5人だけの□□会社に突然、労働組合が現れたとしよう。○○地域ユニオンの△△分会である。この労働組合が団体交渉を申し込んできた。社長にとっては寝耳に水である。しかたなく会社の応接室で一度会ってみることにした。出席者は、○○地域ユニオンの委員長A、副委員長B、書記長Cと△△分会長D。Dは、□□会社の社員だが、A、B、Cは社長にとってはじめて見る顔だ。社長は、この4人から、先日行った賞与の半額カットについて説明を求められた。経営が苦しいからだと返答したが、労働組合は、それに納得せず、財務資料を出せといってきた。社長は、この要求に納得できなかった。経営状況が苦しいことについては、折に触れて、社員に話していた。D以外の社員は、今回の賞与の引き下げに納得していた。Dだけが、不満をもって外部の労働組合に加入して社長と交渉しようとしてきたのである。文句があるなら一対一で言うべきだ、会社外の仲間を連れてきて交渉を強要するなんて許せない、ましてや財務資料といった会社の懐具合を示すものをヨソ者に見られたりしたくない、社長はこう考えた。社長は、正義感の強い人だった。思わず、Dに対して、次のようなことを口走ってしまった。「交渉するなら一人でやってこい。労働組合なんかに入って、集団で交渉を申し込んでくるとは卑怯だ。俺は、交渉にまともに応じるつもりはないからな。君も、早く労働組合なんかから脱退して真っ当になりなさい」経営者と敵対するような労働組合は迷惑である。会社と信頼・協力の関係を築くことができるような労働組合しかいらない。これが会社の論理だ。